1)やはり金箔と銀箔でした!!!
新5千円札の裏面に描かれている絵は尾形光琳作による「燕子花(かきつばた)図屏風」の一部です。日本画を代表するものとして選ばれたのでしょう。同じく光琳の代表作に紅白梅図屏風があります。
最近、国宝であるこの絵を光科学的に分析して驚くべき結果が出たと NHKで紹介されました。今まで金箔と銀箔と見られていた背景は、実は金箔も銀箔も使用されていないことが判明したのです。(2004年頃の話)
その後、科学的な検証が進んで、中央の川の部分には銀箔が使用されていて硫黄と化合して墨のような黒色が出現しているコトが判明しました。また背景には確かに金箔が貼られているコトも最新の顕微鏡等で確認されました(2012年2月追記)
2)左(白梅)右(紅梅)の意味
その一方で、この絵の意味するものが謎めいていたので、この際はっきりさせたいと考えたのです。絵そのものは中央の川を挟んで左側に老木の白梅が、右側に若木の紅梅が描かれているのです。一般的な解釈では、七夕の彦星(白梅)と織姫(紅梅)が天の川を挟んで出会っているという説です。しかし、彦星が老木であるのは不自然です。また別の解釈は光琳が生まれ育った京都の街に同様な配置で実際に植わっていた梅と川を写実したという説です。これは余りにもつまりません。中央の川の図案化も不自然です。光琳の折角の金箔だましという遊び心が活かせれていません。
では、本当のところ光琳は何を「目的とねらい」にしていたのでしょうか?
つづき(4-3紅白梅図屏風の秘密2)