日本昔話に出てくる「ねずみの嫁入り」を例に取り、 8W1Hすなわち9つの疑問詞で考える具体例を説明しましょう。

 『昔々(いつ)、米倉の中で(どこで)、ねずみのチュー子が(だれが)、 そろそろ結婚したいので(なぜ)、お父さんお母さんに相談します(味方につけて)。 すると世界で一番えらい方を婿に取りなさいと言われました(どのように)。 そこで、チュー子は考えました。やはりお日様が一番えらいのではないかと(だれを)。 でも太陽は言いました。確かにそうかもしれないけれど、雲さんが出てきたらお日様は隠れてしまうから、 雲さんの方がえらいよ。そこで、雲さんに聞きに行きます。でも雲さんは言いました。確かにそうかもしれないけれど、 風が出てきたら吹き飛ばされてしまうから、風さんの方がえらいと。そこで、風に聞きに行きます。でも風さんは言いました。 壁があったら風は止められてしまうから、壁さんの方がえらいと。』

 こうして、チュー子の結婚相手探しはまさに壁にぶつかってしまうのです。

 『しかし、気を取り直して米倉の壁に聞きに行くと壁さんは言いました。毎晩わたしの足元をかじって穴をあけてしまう ネズミがいる。チュー太郎という名前で、彼が一番偉いと思うよ。そこで、チュー子は決心するのです。そうだ幼なじみの チュー太郎が居たではないか(どっち)、 (実は世界のナンバーワンではなく、オンリーワンが大切なことに気がついて)自分にとってかけがえの無いチュー太郎をお婿さんにしようと。』

 以上が「ねずみの嫁入り」(テーマ=なに)のストーリーの概略です。

(父親だけがむこ探しに行く、父母娘の三人がそろって婿探しに行くという例もあるようですが、 ここでは現代風に娘(チュー子)が探しに行く形を採用しています。インドにも同様な話があるようです。)
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