11世紀から300年続いた十字軍遠征で地中海貿易が盛んとなり、ジェノヴァ、ヴェネチア(ベニス)等の商業都市が栄えます。 商人たちはより大きな商業(Why)活動を行おうとして、他人から資金を借りるようになり、それを将来的に返済しなければならない資本=負債(How)と呼びました。またそれを管理するために複式簿記も新たに産み出したのです。
イタリア商人がまず負の概念を実用化したわけです。そして、彼らの活躍によって中世商業都市が発達し、それを背景にしてイタリア・ルネッサンスが産まれたです。
負債の概念が数学の世界にも影響を与えて、15世紀中頃(When)にイタリア(Where)で負数(What)は誕生するのです。
さらにゼロをもたらしたインドの仏教に対して、イタリアではキリスト教を忘れてはなりません。Whoはキリストなのです。キリスト教の宗教改革はルター (Whose)が従来のカトリック派(Whom)に対して異議を唱え、キリストの原点に戻ろう、聖書に戻ろうと言うプロテスタント派(Which)を形成します。 そのキーワードは神の子イエス・キリストを十字架に掛けて死なせてしまったことに対して負い目を背負っている、即ち十字架の負債(How )という概念でもあります。
こうして見ると、負数(マイナス符号の付いた数字)の誕生の背景には経済的要因と、宗教的要因の二つが並行してあったということも浮かび上がって来ます。 また15世紀中頃にドイツ人のグーテンベルク が活版印刷技術を発明したことにより、聖書が本として大量に印刷配布され、宗教改革の進展が一段と加速されたということも忘れてはなりません。
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