私たちの大脳は左半球と右半球の両方に別れていて脳梁(のうりょう)で繋がっています。普通は左脳・右脳と呼んでいます。機能面でそれぞれに違った特徴があります。 左脳はデジタル脳とも言われ、言語、論理、文章、理性、分析などを主に処理し、右脳はアナログ脳とも言われ、絵図、直観、音楽、感情、統合などを主に処理しています。  人間の脳も外部からの多くの情報を分担しながら処理しているのは大変興味深いことです。また、脳の記憶メカニズムについても、最近の脳科学で海馬(かいば) という器官が関与していることが解明されています。

 今こそ、これらの大脳生理学や脳科学の成果を学習や教育に応用することが大切であると思います。特に左脳と右脳を同時に使用する時に脳の活性化が行われている事実は見逃せません。 最近流行の「@単純計算の反復習熟法 A声を出して読む習慣 B図解で仕事をはかどらせる」などは全てこの点がポイントになっています。

 これまで私たちの受けてきた学校教育は、どちらかというと左脳の開発が主であったと思われます。公式や方式を覚えて記憶し、ある問題が出されたら一つの答えを素早く出せるようにすることでした。 実験や観察は受験勉強からは遠い存在に追いやられてしまい。じっくりとある現象を観察する能力を育てることは置き去りにされてしまったのです。

 また絵画や音楽などの芸術関係、工作や家庭技術・料理の授業時間も省かれることが多かったのではないでしょうか? これらは元来が右脳開発に役立つものです。

 左脳の力に偏らずに右脳の力を同時に活用することが創造型教育に欠かせないことは言うまでもありません。もしも、学科に関係することなく、 すべての教科で右脳も少しは開発できるようになれば、それに越したことはありません。次にそのことを見ていきましょう。
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