宣伝文や報告文とは異なる、もっと複雑な文章、例えば、評論や論文や物語や企画書などにはどんな要素が含まれているでしょうか? いや含まれるべきなのでしょうか? 宣伝文のような2W1Hではもちろん不足ですが、では5W1Hなら合格でしょうか? ・・・・・
残念ながら不合格です。
『あれだけ学校で習ってきたのに、それはないでしょう』と言っている貴方の顔が見えるようです。この機会に、これまでの思考の壁を突破しましょう。
5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように= when、where、who、what、 why、how)に3W(which、whose、
whom)(=どっちを選んで、誰を味方につけて、誰を攻めるのか)を加えた8W1Hがそろって、はじめて合格です。
確かに3よりも6、6よりも9つの要素でもって考えることは大変かもしれません。しかし、もう9個以上の疑問詞は無いのだと思えば、それらを徹底的に攻めればよいわけですから、後はこちらのものです。新しいことを考えたり、問題を解決しなければならない場合などにはこの8W1Hの要素が必須になります。
更に新製品の開発・企画などをする場合には1Hを4Hに拡大して
(how to do、how many、
how much、how
wonderful)(=どのように、どれだけ多く、いくらで、どんなにすばらしいか)検討していると言われています。
ゲームソフトもストーリー性の有るものは8W1Hの要素が考慮されています。誰を味方につけて
(whoの所有格であるwhose)、どんな武器を選んで(選択の
which)、誰を具体的に攻めるのか(whoの目的格であるwhom)というように+3Wが大切で、これが加味されると面白いゲームになります。
余談ですが、Howはその昔はWが付いていて「Whow」だったようです。したがって「8W1H」もシンプルに「9Wまたは9WH」と言っても良いのです。そういえばドイツ語はW―で、フランス語などのラテン系言語ではQu―で、9つの疑問詞は始まっていますね。
最近、中国では英語初等教育で「8W1H疑問」としてキッチリと教えているようです。日本では小学校から英語を教えることになりましたが、昔のように「This is a pen.」よりも「How are you?」からスタートしてはどうでしょうか。そして、2W1H、5W1H、8W1Hの使い分けをマスターさせることが大切でしょう。その時に思考道の3行3列の図表が思考の可視化(見える化)に役に立てばと考えています。
2010.10.30 修正版 千々松 健
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