テレビのコマーシャルで有名な『ファイト 一発 リポビタンD』を題材にして宣伝文の特徴を考えてみましょう。この短いコピー(宣伝文)は三つの部分で組み立てられています。それは「ファイトを出すために(なぜ)、一発(一本)飲みましょう(どのように)、リポビタンD(なにを)」という「なぜ、なにを、どのように」の三要素です。英語ではWhy,What,Howとなります。

 『元気 ハツラツ オロナミンC』も同様です。「元気をだすために(Why)、オロナミンC(What)を飲んで、ハツラツになりましょう(How)」の三要素になっています。

 以前『クシャミ 三回 ルル三錠』というのがありました。これは良くできたコマーシャルでした。「クシャミを三回したら(理由)、ルル(風邪薬の商品名)を、三錠服用しましょう(用法)」三回と三錠が語呂あわせで覚えやすかったです。

 以上3例のテレビコマーシャルに共通することは、「いつ、どこで、だれが、なぜ、なにを、どのように」という5W1Hのうち「なぜ、なにを、どのように」の2W1H(Why,What,How)で足りているという点です。「いつ、どこで、だれが」は省略されています。それについてはその商品を買って飲む人の自由なのですから。

 短時間で印象深く人々へ訴える宣伝文はできる限りポイントを絞っているのです。5W1Hを使用する報告文と比較すると、これらの宣伝文の持つ特徴が良く分かります。
 報告文についてはここでは深くは触れません。毎日の新聞記事やニュースなどで普段接しているものの多くがそれに相当します。それに5W1Hについては皆さんも十分に理解されていると思うからです。
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