第6章  曼荼羅

6-1.曼荼羅とは

◇曼荼羅とは
 1)数珠(じゅず)玉のように長くつながったもの
 2)儀式をする時に使用する円形の祭壇
というのが元々の意味です。
広辞苑には「曼荼羅とは、諸尊の悟りの世界を表現したもの。一定の方式に基づいて、諸仏・菩薩及び神々を網羅して描いた図。四種曼荼羅・両界曼荼羅など多くの種類がある」と書かれています。

◇京都の東寺に伝わる金剛界曼荼羅と胎蔵曼荼羅は空海が唐より持ち帰ったものと言われています。曼荼羅は仏教その中においても日本で大きく発展した密教で主に使用されて来た大型の絵図で、大日如来をはじめ大勢の仏・菩薩が規則正しく配列されており、「宇宙システム」を表現していると言われています。九会曼荼羅は特に入れ子状態のフラクタクル構造になっています。

◇mandalaの初めの「manda」は、牛乳から作られる最高の飲み物である「醍醐(だいご)」のことで「本質・心髄」という意味を持っています。後半部の「la」は「有る・得る」という所有を意味する接尾辞です。ですからmandalaを直訳すれば『本質を有するもの』『心髄が得られるもの』となります。

◇曼陀羅も曼荼羅も共に「mandala」の音声を漢字にしたものですから同義です。釈迦は仏陀ともいいますから、陀を使用する曼陀羅の方が、より宗教的な色彩が強く感じられます。私は宗教色の少ない曼荼羅の方を使っています。
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