望ましい人物像について日本では「知・情・意」と表現しています。「知」は知性・理性、「情」は感性・感情・人情、「意」は意志・意欲・徳性を指しています。同様なことをギリシャ語ではエトス・パトス・ロゴスと表現しています。
 それらは人称代名詞で整理すると分かりやすくなります。すなわち「一人称で行動でき、二人称で語り合え、三人称で思考する」ことができるかどうかが重要であるということです。

 まずエトスethos(意)については「一人称で行動でき」に相当します。一人称についてはI/my/me、例えば「その件については私に任せてください、最後まで責任を持ってやり遂げましょう」と言えるかどうかです。これがしっかりしていれば、バイタリティーに溢れ、完遂能力があり、自律力=モチベーション能力が高くなります。

 次にパトスpathos(情)は相手と一緒に泣いたり、笑ったり苦楽を共にすることですから「二人称で語り合え」に相当します。二人称はyou/your/youです。これは親・兄弟や友人たちと語り合え、喜びや悲しみを共に分かち合えるかどうかです。社会人となってからは、お客様の立場を思いやることができるかどうかがポイントになるでしょう。この点は対人力=コミュニケーション能力につながります。

 三番目のロゴスlogos(知)は客観的・論理性をもって問題分析ができ、かつそれらを統合することによって新しく創造できるかどうかです。三人称はhe/his/him,she/her/her,they/ther/themです。第三者の立場からものごとを客観的に見て、思考することができるかどうかが問われます。例えば、日本の国内だけで通用すれば良いというのではなく、世界に向けてyes/noがはっきり言えて、説得できるようでなければいけないのです。この点は思考力=プレゼンテーション能力につながります。

 ギリシャ語のethos,pathos,logosの三つには-osが語尾についていますので「三つのOS」とも言えましょう。すなわちコンピュータの世界ではWindows,UNIX,Linux等のOSがあり、これらの基本の上に各種のアプリケーションソフトが動いている訳ですが、それと類似させて、人間もハードとしての器が土台にあって、「三つのOS」がその基本ソフトとなり、初めて諸活動が可能になると考えることも面白いのではないでしょうか。

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