野口体操で知られる野口三千三氏は「からだに貞く」「重さに貞く」「ことばに貞く」「自然に貞く」と表現されました。「貞く」は「きく」と読みます。
語源的には貞は卜(うらない)と鼎(かなえ)を組み合わせたもの。(貝は変形したもの)

 亀甲文字の始まったころ、亀の甲羅(腹側の方が平らで柔らかくて加工がしやすかったと思われる)に穴を掘り、そこに燃えた木の棒を当ててから急に冷やして亀裂を生じさせ、 その割れ目の形状によって吉凶を占ったと言います。兆候の兆の字も占いにかかわる割れ目を指しているようです。農作物に影響する天候や洪水の有無や行事・政(まつりごと) について神に問うたのです。その占いの内容を説明したものが文字記録として今に残っているのです。もちろん漢字のルーツになるものです。

 ちなみに「貞人」とは亀甲(甲骨)文字を書く占い師のことで「とふ人」と呼ばれていたそうです。「とふ」が「てい」や「ちょう」に音的に変化する訳です。
「問う」は単に質問するや頼むではなく「霊的な何かを求める」に近いのです。
 まさに、この場合の「貞(き)く」は英語の「Ask」に置き換えられます。人間にではなく、神に訊ねる、深く尋ね求めるという意味になりましょう。

 探偵の偵の字はにんべんが付いているので人に聴く意味ですが、元々にんべんのない貞の方は神に貞くということだったのですね。
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