10-5.「||」 絶対値記号の発想

◇ −7に絶対値記号を付けると|−7|=7になり、+7に絶対値記号を付けると|+7|=7になります。このように絶対値記号「||」にはプラス・マイナスの符号をはずす作用があります。

◇ベクトルは方向と長さを持っていますが、その長さのみを表現するものとして絶対値を考えれば良いのです。そうすると、+7−7以外にも、例えば△7・☆7・□7などがあるとすれば、それらの絶対値はすべて「7」と表現できるわけです。では絶対値記号はいつ、どこで、どのように誕生したのでしょうか?

◇絶対値記号の誕生は数学の歴史では、ごく近年のことでしょうが、残念ながら検証できる資料を見つける努力を怠りました。と言うよりは社会的経済的背景を考察したものがなかったのです。それを善いことに「絶対値記号は、本当は日本でこそ発想されるべきではなかったのか」という珍説を披露します。

◇我が国には特有の体制として「ミカド」というものがあります。時代の流れに従って、時の権力者が貴族・武士・軍部・資本家と移り変わっても、それらの権力機構とは常に独立した“権威”として「ミカド」は滅びることなく継続して来ました。

◇たしかに西洋においても「絶対君主」は歴史上発生していますが、権力と権威の両方を同時に保持していたがために、多くが短期間に消滅してしまいました。その点「ミカド」は権威のみで、時の権力機構とは間接的にしか結びつかずに、安全地帯へ「超越」した存在で、記号で言うならば絶対値記号が付いた存在なのです。(このような国家デザインを発想した人物は、藤原不比等であると言われています。)
★次へ