◆ 「ベクトル平衡体」とは元々アルキメデスが「立方八面体」と呼んでいる立体で、富士山レーダードームの設計者でも有名なバックミンスター・フラーがその本質を捉えて命名したものです。フラーは「宇宙の本質的な構造原理」をこの準正多面体に観ていたのでしょう。

● ドーナツ型の「ト―ラス」の基本構造に、このベクトル平衡体が関係していると言われています。また藤原肇博士の「ホロコスミックス理論」(動態幾何学的な宇宙の一体性原理)もト―ラスに関係しています。

▲ このたび、大ピラミッドに使用されている黄金比(Φ≒1.618)をそれに導入して、新しく「黄金比ベクトル平衡体」を制作してみました。
 
 フェーズ1) ベクトル平衡体(立方八面体)は正三角形8個と正四角形6個の14面体です。立方体(正六面体)または正八面体の各辺の中点を結んで出来る立体です。
 フェーズ2) この正三角形を大ピラミッドの黄金比三角形に置き換えてみます。
 フェーズ3) すると大2個と小4個の正方形ができるので、大の方にピラミッドを付け加えます。
 フェーズ4) これは要するに対角線の比が1:Φになる菱形8個と正四角形4個から構成される12面体となります。
 
● この「黄金比ベクトル平衡体」を回転させてみるとどうなるでしょうか? 結果は「長軸回転体:短軸回転体=1:√Φ」で黄金比の平方根となります。この√Φ≒1.272の数値は良く知られているとおり大ピラミッドの低辺の半分を1とした場合の高さに該当します。(勿論のこと斜面の高さはΦ)
この「黄金比ベクトル平衡体」(Golden Ratio Vector Equilibrium)は「大ピラミッド・ベクトル平衡体」と呼んでも好いかもしれません。

◆ 最上部写真の右側の立体は正三角形が二つで出来た菱形が8面と正方形4面で出来ていますが、その菱形の対角線の比は1:√3となり、その立体を回転させる時、短軸と長軸を比較すると1:√2の白銀比となります。よってこれを「白銀比ベクトル平衡体」と呼びたいと思います。この長軸の両端の四角錐をカットしたものが元々の「ベクトル平衡体」に他なりません。

2012年3月5日
黄金比を産む1,2,3,5,8,13、、、のフィボナッチ数列が想起される日に
千々松 健

≪神聖ベクトル平衡体≫の完成へのリンク

菱形8面+正方形4面=12面体 その菱形によって変わる回転体のラチィオへのリンク